BIS論壇No.187

『石川 昭 名誉顧問をしのぶ-追悼記』

中川十郎

2000年以来15年以上にわたりBIS顧問として一方ならずお世話になった石川 昭BIS名誉顧問がさる6月24日、前立腺がんのため逝去された。昨日開催の日本イノベーション融合学会の席で同学会最高顧問・石川 昭先生のご逝去を知り、突然の悲報に愕然とした。

昨年12月14日、東京倶楽部で開催の第143回情報研究会懇親会で、いつもながらの大きな声で元気のあるご挨拶を頂いたのが最後となった。思えば石川先生との出会いは1990年2月に20年以上の商社海外駐在から帰国し、同年9月に日本で最初のビジネスインテリジェンス紹介の翻訳書『CIA流戦略情報読本』をダイヤモンド社から出版したことがきっかけである。日本での情報研究の実情を調査していた時、石川 昭先生の名著『戦略情報システム入門』日本経済新聞社(1986)に遭遇した。数式や統計を活用された緻密な論理構成の情報論に感銘を受けた。日本にもこのように国際的に活躍されている情報研究家がおられることに驚いた。ある時、日本ナレッジマネジメント学会研究会に参加した。この学会理事として石川先生が活躍しておられ、その場でご挨拶した。これがご縁で以来、25年間御指導を頂くことになった。人生のご縁とはまことに不思議なものだ。

石川先生には日本危機管理学会監事にも任命いただいた。さらに石川先生が最高顧問をしておられる日本イノベーション融合学会の副会長にも推薦頂き感謝している。

2000年には東京経済大学創立100周年記念講演会「大学院での教育はいかにあるべきか」のパネル討論会に石川先生をお招きした。先生は青山学院大学大学院国際政治経済研究科を創設され、研究科長を歴任されていたので、先生に白羽の矢が立った次第である。この時以来、石川先生とは妙に気が合い親しくなり、そのご縁で2000年以来16年間、日本ビジネスインテリジェンス協会顧問をお願いし、長年ご指導を頂くことになった。石川先生は防衛大学第1期生の秀才で米国に留学された。しかし防衛大学には帰えられず、そのまま米国でニューヨーク大学大学院助教授、ラトガース大学大学院終身教授、ハワイ大学大学院客員教授を歴任。さらに筑波大学、テンプル大学、国際大学、ウルム大学各大学院でも教鞭をとられた。非常な勉強家で日本語、英語の著書も国内外で数多く出版されている。

2011年2月には日本ビジネスインテリジェンス協会創設20周年、研究会開催100回を記念し、石川先生のお骨折りで『知識情報戦略』を共編著で税務経理協会から発刊できた。

2013年にはシンガポールのWorld Scientific社から英文の“An Introduction to Knowledge Information Strategy ~From Business Intelligence to Knowledge Sciences~”を出版。

当協会の20年間の情報研究成果が英文で世界に発信され、海外でも好評を博した。

これもひとえに石川先生のご尽力の賜物で厚く御礼を申し上げたい。一方、2008年以来、明治大学のリバテイアカデミーとの共同講座「ビジネスインテリジェンスとグローバルマーケテイング」にも講師としてご参加いただいたことを懐かしく想い出す。

200人のBIS情報研究会員ならびに25年間に研究会に参加した10000人以上の聴講参加者を代表し、ここに感謝と深甚なる哀悼の意を表する次第です。安らかにお休みください。