26周年記念・第152回ビジネス・インテリジェンス情報研究会のご案内

日本ビジネス・インテリジェンス協会  Business Intelligence Society of Japan

26周年記念・第152回ビジネス・インテリジェンス情報研究会のご案内

       会長・名古屋市立大学特任教授 中川 十郎

桜の開花宣言も出され、春の訪れが感じられる今日このごろ皆様にはご壮健にお過ごしのことと存じます。新年早々、米国第45代大統領にトランプ氏が就任。イスラム圏からの入国禁止の違憲判決。オランダでの選挙。日本では、豊洲市場移転問題、森友小学院問題、南スーダンからの自衛隊撤退問題など、インテリジェンスを活用した真相究明が強く求められております。

かかる状況下、2月に26周年を迎えた当協会では、下記案件について情報研究会を開催いたします。今回は国連事務次長・広報担当としてご活躍された赤坂清隆フォーレン・プレスセンター理事長に「アジアの世紀が本当にやってくるのか?」、原田 泉・日本危機管理学会理事長に「アジアにおけるサイバースパイの現状」、エコパラダイス海野貴史・社長に「特殊酵素を活用した環境浄化する農業革命、還元陶板浴健康療法」、環境・健康医療プロジェクトに注力中の増田博美・グローバルハート社長、名古屋産業大学産学連携顧問に「環境教育の国内・国際展開」について講演をいただきます。ベンチャー・情報研究にご興味をお持ちの友人、知人ともども皆様多数ご参加ください。開場は530pm、会議開始6:00pmです。

                 特別講演

1.『アジアの世紀が本当にやってくるのか?』(610~640pm)

    赤坂清隆・フォーレン・プレスセンター理事長、前国連次長・広報担当

2.『アジアにおけるサイバー・スパイの現状』(6:40pm~710pm)

    原田 泉・日本危機管理学会理事長、

3.『特殊酵素を活用した環境浄化する農業革命、還元陶板浴健康法』(720~750pm)

    海野貴史・エコパラダイス(株)社長

4.『環境教育の国内・国際展開について』(750~820pm)

    増田博美・グローバルハート社長、名古屋産業大学産学連携顧問

5.総合コメント;ドクター中松、谷口 誠 元国連大使 (820830pm

         全体質疑応答 (830pm~850pm)、閉会 9:00pm

 

懇親会: 9:10pm~10:30pm、会費2000円(会場から徒歩1分フィンマクールス)

日時: 2017424() 6:009:00pm

場所:日本プレスセンター、千代田区内幸町221、地下鉄霞が関駅より徒歩3分

参加費:3000円、学生2000円。参加希望者は4月17日(月)まで申し込み下さい。

当日のキャンセルは恐縮ながら実費を申し受けますので、代理出席などを御配慮ください。

日本ビジネスインテリジェンス協会   

Fax 0354973259Tel 0354973260e-mail; jm-naka@mvb.biglobe.ne.jp

お名前(          )ご所属(           )役職(      )

4月24日(月) 6:00~9:00pmの 26周年 第152回・情報研究会・懇親会に参加する(    )。欠席する(    )。今後連絡は不要(   )いずれかに○をお付け下さい。

BIS論壇 『AIIB年次総会と一帯一路』2017年6月17日 中川十郎

『AIIB年次総会と一帯一路』2017年6月17日 中川十郎

中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)年次総会が6月16~17日、韓国の済州島で開催された。AIIBは加盟国拡大に力を注ぎ、16日にアルゼンチン、トンガ、マダガスカル3カ国の参加を認め、加盟国・地域は80となった。今年創設50年目を迎えるアジア開発銀行(ADB)の67カ国・地域をさらに引き離した。年末までには参加国は85から90か国・地域に達すると予測されている。
今回の会議では先にトランプ政権が脱退を表明した温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」を推進するために地球温暖化対策に結びつく投融資にAIIB参加の80か国・地域がEU、中國を中心に注力していく方針を打ち出したことだ。AIIBは総会にあわせて、3件、3億2400万ドルの新規融資案件を承認した。1件は印度のインフラ基金への出資。2件は世界銀行などとの協調融資だ。これまでの融資は16件、約25億ドル。このうち12件、19億ドルが世界銀行、アジア開発銀行、欧州復興開発銀行などとの協調融資で、慎重な運営を行っている。AIIBはアジアから欧州に及ぶ経済圏作りを目指す「シルクロード経済圏構想(一帯一路)」を資金面で支える投融資銀行としての役割を果たすものとみられる。「AIIB」と「一帯一路」構想は車の両輪の働きをするものだ。
AIIBはこのように本格的な国際機関の体裁を整えた。次回は印度で2018年に開催される。
国際評論家・春名幹男氏によれば、米外交問題評議会研究員等が5月12日のフォーリン・ポリシー電子版で「一帯一路」について「アジアにおける米国のリーダーシップの危機」と警告し、このままだと「米国はアジアの主導権を失う」と危機感を示しているという。
安倍政権が一帯一路に対抗すべくインドと組んでアフリカを中心にインフラプロジェクトでの連携作戦をしている現状に触れて、インドのSunil Chacko教授は5月20日のSunday Gardian Liveでこの構想は効果的でないと批判的な論調を掲げている。
安倍政権の麻生財務相は「AIIBに融資条件を審査する常設の理事会がないことから、融資能力、審査能力があるのか」と加盟に否定的な考えを示しているという。(朝日6月17日)。一方、加計疑惑の「怪文書」発言で批判が高まっている菅官房長官は「AIIBへの日本の参加時期について考えていない。しっかりと注視しながら(判断する)ということだ。重視する条件については、公正なガバナンスの確立や加盟国の債務の持続可能性の確保などを挙げた」という(日経6月17日)。
G7では米国とそれに追随する日本の2カ国のみが、上記のような理由をつけて参加を逡巡している。このような自国中心の対応では日本は「AIIBと一帯一路」のバスに乗り遅れ、悔いを千載に残すことになるだろう。
東アジア共同体研究所理事長の鳩山由紀夫元首相はAIIBの国際諮問委員会顧問として活躍されており、今回の済州島でのAIIB年次総会に参加された。6月24日の国際アジア共同体学会(於立教大学)春季大会で「ユーラシア新世紀への提言~AIIB総会から帰って」と題して講演される。BIS会員各位の参加を希望したい。

BIS論壇 『共謀罪法案について』2017年6月13日 中川十郎

『共謀罪法案について』2017年6月13日 中川十郎

法律専門家や学者、有識者が今回の安倍政権の「テロ等共謀罪」法案については人権上も問題があるとして、安倍政権の強行採決に強く反対している。国連特別報告者のジョセス・カナタチ氏は277の犯罪の準備行為を処罰できる本法案は組織や準備行為の定義もあいまいだとして安倍政権の共謀罪に懸念を表明している。
一方スイスのジュネーブで開催中の国連人権理事会で6月12日、国連の「表現の自由の促進」に関する特別報告者デービッド・ケイ氏は昨年4月の訪日の調査結果を報告。「当局者による直接、間接のメデイアへの圧力、いくつかの歴史問題を議論する場の制限、国家安全保障を理由に情報へのアクセスに対する規制の増加を特に懸念している」と発言。
ケイ氏は報告書で、表現の自由を保障する日本国憲法21条を高く評価。自民党の改憲草案が21条に「公益」や「公の秩序」を害することを目的とした活動は認められないとの文言を加えようとしていることに懸念を示したという。(朝日新聞6月13日)
『スノーデン 日本への警告』(集英社 2017年5月刊)によると2011年9月11日以降、米国のNSA(国家安全保障局)がインターネットを通じた大規模な監視体制を構築していたことを4年前の2013年6月にスノーデン氏が暴き、米政府による違法な情報収集のトップシークレットの機密情報を暴露。世界を震撼させたことは記憶に新しい。
このスノーデン氏が上掲書で「監視の問題に限らず、日本でも少しずつ全体主義が拡大していると言えます。民衆が政策に反対しているのに、政府が民意を無視することを何とも思っていない時にはとりわけ危険です。ここで私が問題にしているのは日本国憲法第9条の解釈のことです。有権者の3分の2が日本をより軍国主義的にするような憲法9条の削除、改正、そして再解釈に反対しているにも関わらず、安倍政権は憲法改正と言う正攻法でなく、裏口入学の法律解釈を行ってしまいました。~中略~ジャーナリストは政府が何をしているかを把握しなければなりません。にもかかわらず、すべての情報が特定秘密として閉じられてしまう。これは非常に危険です」(同書49~50ページ)と安倍政権の憲法解釈、特定機密法を厳しく批判し、日本のジャーナリストの奮起を促している。
しかし、この度の加計学園問題に関しても読売新聞など社会の木鐸たるべきジャーナリズムが安倍政権の垂れ流す情報を御用新聞よろしく、そのまま報道していることは新聞の自殺行為だ。正義派弁護士の郷原信郎氏は「読売新聞は死んだ」と批判しておられる。
そもそも中立であるべき新聞社やテレビ局の会長や社長、編集長、政治部長らが安倍首相に食事に招待され会食している。かかることが公然と行われていること自体、日本のジャーナリズムが死んだことの証左ではないか。安倍官邸、菅官房長官の圧力でテレビ朝日・早河会長に「報道ステーション」を降板させられた古賀茂明・元通産官僚は安倍政権のメデイア干渉、抑圧の実態や、硬派のコメンテーター恵村順一郎・朝日新聞論説委員が首になった実情を、近刊『日本中枢の狂謀』(講談社)で実名入りで赤裸々に暴露している。
安倍政権のメデイア支配の異常な実態を知り唖然とさせられた。ぜひ一読を勧めたい。

BIS論壇 『一帯一路とAIIB』 2017年6月3日 中川十郎

『一帯一路とAIIB』 2017年6月3日 中川十郎

5月の北京での「一帯一路」首脳会議に29カ国の首脳、70の関係国が参加して以来、「一帯一路」への内外の関心が高まっている。6月8日カザフスタンで開催の上海協力機構(SCO)首脳会議でも話題になると思われる。さきに本論壇で、英国、米国の地政学者や研究者のユーラシア重視の必要性をうたった説を紹介したが、地政学の観点からも『一帯一路』戦略への日本の参入は国際通商戦略上も必須であると思われる。
名著『資本主義の終焉と歴史の危機』に続き近刊の力作『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』の著者・水野和夫法政大学教授は同書において、海を制した18~19世紀のオランダ、英国、20世紀の米国にかわり21世紀は陸を制するEU、中国、インド、ロシアが発展すると予測しておられる。まさしく「ユーラシアを制する者は世界を制する」時代の到来だ。
中国の「一帯一路」政策に対抗し、日本はインドーアフリカ会議を主宰したインドと組みアフリカへの進出を画策しているという。この策はかって日本が中国主導の上海協力機構(SCO)に対抗し、Arc of Liberty and Prosperity(自由と繁栄の弧)政策をかかげて中央アジアを包囲しようとしたことと軌を一にしている。日本の隣に米国に匹敵するかそれを凌駕する巨大市場が誕生するというのに、これらの動きに対抗するよりも、この趨勢に対応し、「一帯一路」や「AIIB」に協力する戦略を打ち立てることこそが、21世紀を見据えた日本の通商戦略であるべきだ。日本では「AIIB」「一帯一路」は中国の過剰製品のはけ口を狙う中国の作戦だとの批判的言動が主流だ。しかし一帯一路、AIIBともユーラシアの陸と海の交通網を整備し、世界人口の60%、GDP30%、貿易30%を超える沿線64か国のインフラ整備を支援し、アジアからユーロッパへの物流と貿易を拡大し、経済発展をめざすという21世紀のシルクロードを再構築するという壮大なプロジェクトだ。
5月17日、ソフト・バンクの孫社長が主導するアジア国際スーパーグリッド会議に参加した。この構想はモンゴルで風力、太陽光で発電した電力を国際送電線網を活用し、近隣のアジア諸国、さらに海底電線で日本にまで送電しようという一帯一路計画に連動した日本がリーダーシップをとれる国際プロジェクトだ。
5月31日に国連大学で行われたトルコ会議に参加のトルコ投資関係者もトルコは地の利を生かし、アジアーヨーロッパを結ぶ一帯一路に積極的に参加したいと熱意を見せていたのが印象的だった。さらに6月2日、JETROで開催のコーカサスのジョージア(旧グルジア)の投資説明会で同国外務大臣に一帯一路とAIIBに関するジョージアの対応を質問したところ、昔からのシルクロードの要衝であるジョージアは一帯一路に積極的に関与し、協力したいと並々ならぬ熱意を表明した。関係国のこれらの言動から判断し、一帯一路は沿線各国の21世紀の大プロジェクトとみなされていることがわかる。かかる趨勢に反し、一帯一路、AIIBに懐疑的な見方をし、参加を逡巡している日本はユーラシアの大きな商圏を取り逃がすことになるのではと杞憂に耐えない。安倍政権の中国敵視政策は将来の日本にとって大きな損失を与えることになるだろう。

BIS論壇 『TPP, RCEP, AIIBと一帯一路』 2017年5月30日 中川十郎

『TPP, RCEP, AIIBと一帯一路』 2017年5月30日 中川十郎

5月中旬、ベトナムで開催のTPP閣僚、首席交渉官会議で米国を除いたTPP11は11月のベトナムでのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)までにTPPの合意をめざし努力することを決定したとのことだ。TPP11カ国の交渉促進を日本が主導し、米国の復帰を促すとの戦略だ。選挙でTPPからの離脱を表明。1月20日の大統領就任後いち早く脱退の大統領令に署名したトランプ大統領が、日本が復帰を求めても、簡単に応じると考えるのは情勢認識が甘いと言わざるを得ない。

去る5月19日、ASEAN元事務総長スリン氏がアセアンセンター主催の創設50周年記念講演をおこなった。ASEAN50年の成果を踏まえ、ASEANはアジアの時代の核となると自信満々であった。その際、筆者はRCEPと中國主導のAIIBと一帯一路に関し、スリン氏に質問した。スリン氏はRCEPには日本、中国、インド、オセアニアも参加しているところよりASEANとして積極的に協力すべきだとの意見表明があった。
 5月23日JETRO主催の中国陝西省の一帯一路説明会があり参加。同省の揚凌農業ハイテックセンターを5年前に視察しているところより興味があった。シンポジウムを聴講し、同省が一帯一路の西への玄関口として西安を中心に、道路、鉄道、空の物流のハブとして急速に発展していることに驚いた。かって隋、唐の時代に日本から遣隋使、遣唐使が留学し、日本とも800年以上の文化、経済交流がある同省との関係強化が必要だと強く感じた。

それに引き替え、安倍政権は中国敵視政策をとり、世界の主要77か国が加盟しているAIIBにはG7の中で日本と米国は加盟していない。さらに中国の一帯一路計画に対抗し、インドと組んでアフリカ向けのプロジェクト参入に動いている。21世紀は世界最大の版図を有するユーラシアが世界の貿易、プロジェクトの最大の市場になることは自明だ。中国に協力しAIIBに加入するとともに一帯一路計画に参加することを真剣に考えるべき時である。
5月25日には恒例のコロンビア大学日本経済経営研究所のシンポジウムが大手町のファイナンシャルセンターで開催され200人が参加。パネリストとして参加の日本の政治研究の第一人者ジェラルド・カーチス・コロンビア大名誉教授にTPPに対する米国の対応について質問した。同教授はTPPはdead(死んだ)と発言し、米国の回帰はありえないと主張。
米国有識者が死んだと見ているTPPに固執し、発展するアジアを中心とするRCEPへの交渉に主導権を発揮せず、AIIBや一帯一路への参加を拒み、21世紀に最大の発展をするアジアや中央アジア、ユーラシアを軽視。政治、経済、外交において米国一辺倒の安倍政権のあり方は日本の将来にとって悔いを千載に残すことになるだろう。
この政権の異常さは森友学園問題、加計学園問題、国際医療福祉大学成田医学部創設問題などで疑念が生じていること。共謀罪、憲法9条改正問題などのやり方を見れば自明である。安倍政権の倫理観亡き暴走を止めるためにわれわれは総力をあげるべき時だ。